今回は、魚醤のお話。
これも日本の誇る伝統的な発酵調味料です。
前回の投稿(黒糀 調味料)ででてきたので、取り上げてみました(笑)
魚醤は、魚(主にイワシ)を塩漬けにして熟成させたものです。
だいたい想像つくと思いますが・・・
匂いが強烈!!
なにせ魚が発酵しているものですから。
でもこれが料理に隠し味として加わると、とんでもなく旨みが爆上がりしたりするんです。
ポイントは「隠し味」、つまり少量使う事です。
入れすぎると、旨いを通り越して臭くなる(笑)
ちなみに、こういった魚介類の旨味を引き出して
料理を作るのは、日本だけではありません。
世界のあちこちに魚醤があります。
東南アジアでよく使われているナンプラーなんかは代表的な例ですし、
イタリアにもコラトゥーラという魚醤があります。
イタリア料理では、魚醤以外にも魚介類の旨味を活かす料理がたくさんありますね。
魚醤ではないですが、パスタを作る時に
オリーブオイルににんにくと一緒にいれるアンチョビなどは
ほとんどの人が知っているでしょう。
アンチョビはイワシの塩漬けをオリーブオイルに漬けたものですが、
やはりイワシの凝縮した旨みを隠し味としてパスタに追加しています。
サカナ嫌いの人でも、
隠し味として少量、旨みを上げるために使われていたりするので
知らないで食べている人も多いのではないでしょうか。
そんな中でも、日本の魚醤は日本各地でそれぞれ独自の発達をしています。
現在、日本で一番魚醤が使われている地域が石川県。
上の写真がそうですが、魚汁(いしる)と呼ばれて、
昔から、醤油のように普通に使われてきました。
石川県の知人に聞くと、
「いしるは普通に日常にあったから、全国どこでも売ってるのかと思ってた。」
という答えが返ってきました。
そのくらい、日常的に使うものなんですね。
まあ、それでも和食離れが進んでいる最近は、知らない人も増えているようで・・・
日本の各地域で脈々と受け継がれてきた伝統的な食品が
徐々になくなっていくのが本当にはがゆい。
そこで、次回は魚醤をメインに、
そのあたりを書いてみたいと思います。