日本での日本酒の販売は右肩下がりで年々細くなっていっているようです。
日本の文化や伝統、歴史が少しずつ失われている気がします。
いっぽう、日本酒は世界では市場が拡大しつづけています。
それもあって、日本の酒蔵も海外に目を向けるところが増えています。
日本でも、もっと発酵、醸造文化を見直してほしいですね。
日本酒の起源はお寺から始まりました。
14世紀とも15世紀とも言われていますが、
それは、その最初にお酒の醸造が書かれた文献の発刊にいくつかの説があるから。
その文献「御酒之日記」に登場するのは、
「菩提泉」と呼ばれるお酒の醸造に関する記載です。
奈良の正暦寺で僧侶によって造られていたお酒。(僧坊酒)
実際には、個人などの小規模では、さらに昔からお酒は造られていたようですが、
正式に酒蔵として作られた最初のお酒だそうです。
今でも、毎年1月に県内の蔵元たちが集って設立した「菩提元による清酒製造研究会」
によって正暦寺において菩提酛を作り、
それを各蔵に持ち帰ってそれぞれの仕込みをして
菩提酛純米酒として製造し、販売しています。
そして、その発祥の正暦寺でも「菩提泉」が復活醸造されました。
文献の菩提酛に記述から既に600年あまり。
その間にも、お酒の醸造技術は進化を遂げています。
そんな中で、温故知新とでもいうべき原点に返る醸造酒法は、
古きよきものを受け継ぐとともに、また新しい酒造文化になっていくのかもしれませんね。